挑戦から生まれた、心震える夏
2025年7月6日——この日、静岡県の高校野球大会で、
ひときわ注目を集めた試合が行われました。
浜北特別支援学校の池田謙信さんが、
静岡県内で初めて「高野連に加盟した特別支援学校の選手」として、
夏の大会に出場したのです。
彼は、熱海高校・佐久間高校と合同で構成された連合チームに加わり、
浜松日体高校と対戦しました。
結果は0-11の5回コールド。
数字だけを見れば、完敗と言えるでしょう。
しかし、実際に現地の雰囲気や試合後の声を聞くと、
「これは敗戦ではなく、尊い第一歩だった」と誰もが感じたはずです。

「また来年も野球を続けたい」
試合後、池田さんはこう語りました。
「悔しかったけど、楽しかった。また来年も、野球を続けたい。」
この言葉に、どれだけの“希望”が詰まっているか、想像できるでしょうか。
池田さんは知的障がいと難聴を抱えながらも、
野球に情熱を持ち、ひとりで“加盟申請”という扉を開きました。
これを支えたのは、担任でもあり監督を務める袴田先生の情熱、
そして賛同してくれた他校の生徒たちでした。
試合中も、池田さんの元気な声援がベンチから飛び交い、
キャプテンや他の選手たちとしっかり「チーム」になっていたと報じられています。
「できる」「できない」ではなく、「やってみたい」が原点
このニュースに触れて、
訪問鍼灸マッサージ事業を行う私自身、強く心を動かされました。
私たちが訪問するご利用者様の中には、
「昔はスポーツをしていた」
「外を歩くのが好きだった」と話してくださる方も多くいます。
しかし年齢や身体の制限、病気や障がいなど、
さまざまな理由で「できないこと」が増えていく。
そんな中で、
「やってみたい」
「また歩きたい」
「歌いたい」
「手を動かしたい」
——そうした“希望”の種を大事にすることが、
私たち関わる者の役割ではないかと、改めて思ったのです。
健康とは、「体が動くこと」だけではない
今回の試合を通して、ひとつの大きな学びがありました。
それは「健康」とは、単に“身体が整っている状態”だけではないということです。
仲間と喜びを共有し、前向きな目標を持ち、誰かに応援される。
それだけで、身体にも心にも不思議なエネルギーが湧いてくる。
私たちが提供している訪問マッサージや鍼灸も、単なる“筋肉のケア”では終わりません。
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「今日は話せて楽しかった」
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「また来てくれてうれしい」
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「あの頃の話を思い出したよ」
こうした小さな変化こそが、QOL(生活の質)を高める“本質”なのです。
地域で支えるということ
浜北特別支援学校の挑戦は、個人の努力だけでなく、
周囲の理解と協力があってこそ実現しました。
訪問鍼灸マッサージの現場でも、
ケアマネジャーさん、看護師さん、ご家族、地域の方々との連携が欠かせません。
支援とは、特別なことではなく、
「見守ること」「聴くこと」「寄り添うこと」だと私は思います。
“何ができるか”ではなく、
“どこまで一緒に考えられるか”。
その視点を持つことで、支援の形は大きく変わってくるはずです。
最後に
池田さんの姿に、私たちは
「挑戦することの尊さ」と「応援する側の責任」を教えてもらいました。
結果は0-11。
でも、その1点も失点も、誰かの心に
「次はどう支えようか」
「自分にも何かできるかも」という火を灯したと思います。
私たちひなた訪問鍼灸マッサージも、そんな火を消さない存在でありたい。
小さなケアが、誰かの挑戦の背中をそっと押すことを信じて、今日も地域に出向いていきます。
この夏、浜北特別支援学校が見せてくれた
“甲子園への一歩”は、私たちの日常にもつながっています。
挑戦する人に寄り添える社会を、これからも一緒につくっていきましょう。