ひなた訪問鍼灸マッサージ院長の阿部です。
先日、訪問先のデイサービスで、皆さんが楽しそうに歌を歌っている様子に感動し、
その話を少し書かせていただきました。
ですが、あの時の光景が今も心に残っており、改めてもう少し書いてみたいと思います。
その日は昭和の歌謡曲を中心に、懐かしいメロディーが流れていました。
私自身は歌詞を全部知らない曲も多かったのですが、利用者の皆さんにとっては
若い頃の思い出と結びついた、特別な曲ばかりなのだと思います。
歌詞を覚えていて、口ずさみながらマッサージを受けられる方もいらっしゃれば、
歌詞を覚えていて、口ずさみながらマッサージを受けられる方もいらっしゃれば、
自然にリズムに乗って体を動かす方もいて、とても和やかで前向きな雰囲気に包まれていました。
ピアノやギターによる伴奏もその日によって変わり、音楽を通じて皆さんが
つながっている様子がとても印象的でした。
新しく通われ始めた方も、昔からの利用者さんも関係なく、
みんなで一緒に歌い、笑い合っている光景を見ると、
「ここには本当に温かい時間が流れているな」と感じました。
私たち施術者にとっても、そんな空間に立ち会えることはとてもありがたく、
何よりも元気をもらえます。
出会いと別れのなかで
マッサージの施術中、「気持ちいいね」「楽しみにしてたよ」と
笑顔で言ってくださる利用者さんがいると、本当に嬉しくなります。
そんな一言に支えられ、日々この仕事を続けることのやりがいや意味を深く感じています。
しかし、そんな中でも突然の別れが訪れることがあります。
つい先日、いつも笑顔でマッサージを受けてくれていた方が転倒し、
入院されたという知らせを受けました。
その方は歌の時間にはいつも元気いっぱいで、私が施術をしているときも
小さな声で歌い続けてくれるような、まさにデイサービスの「太陽」のような存在でした。
施術後にはご自分で立ち上がり、しっかりと歩いて帰る姿を見ていたので、
入院と聞いてとても驚き、寂しい気持ちになりました。
別の日、他にも元気なご利用者様がいて、その方についてスタッフの方にたずねたところ、
「先日、入院中、亡くなられたんです」と伺いました。
その方は、私と同じ岩手出身ということで意気投合し、
毎回のように郷土の話で盛り上がっていました。
もうあの笑顔に会えないと思うと、本当に言葉がありません。
続けるということ、寄り添うということ
このような出来事に出会うたび、デイサービスのスタッフの皆さんが
どれだけご利用者様と深く関わっているのか、
そしてその別れをどれだけ重く受け止めているかを痛感します。
日々のなかで気持ちを切り替えなければならない場面も多いと思いますが、
それでも一人ひとりとの関わりは決して軽くない。
心の中ではちゃんと、その方との思い出が息づいているはずです。
私自身も、訪問鍼灸マッサージという仕事を通して、これから先、
さまざまな「別れ」に直面していくと思います。
けれど、それ以上に「出会い」や「再び歩き出す姿」から力をもらえることも多い。
だからこそ、
「少しでもその人の“今”を良くしたい」
「できることを一緒に見つけたい」という想いが、
日々の施術の原動力になっています。
元気に過ごすために私たちができること
今、多くの高齢者がさまざまな身体的・精神的課題を抱えながらも、
できる限り「自分らしく」生きたいと願っています。
そのために必要なのは、日々のちょっとした「ケア」と「寄り添い」だと思っています。
マッサージや鍼灸、簡単なリハビリを通して、体のこわばりを取る。
その効果は単に「身体が楽になる」だけではありません。
その効果は単に「身体が楽になる」だけではありません。
気持ちが前向きになり、笑顔が増え、周囲との関係性も変わってくるのです。
QOL(生活の質)の向上というと難しく聞こえるかもしれませんが、
「気持ちよかった」「また来てね」
という一言が自然と出るような時間を届けることこそが、私たちの仕事の本質だと感じています。
最後に
デイサービスでの日々は、私たち施術者にとっても大切な学びの場です。
歌声に包まれた温かい時間、喜びと別れ、笑顔と涙——
そのすべてが、私の施術の力になっています。
これからも、ご利用者様一人ひとりの
「今日が少しでも良い日になるように」と願いながら、
手を添え、心を添えた施術を続けていきたいと思います。
